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就活生・転職者のための、アニュアルレポート(統合報告書)を使った企業研究

GPIFが国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」を発表!

我々の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」を発表した。

 

 

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GPIF「高い評価を得た統合報告書」

「優れた統合報告書」は昨年も統合レポート界隈の住人の間で多くの関心を集めたが、今年は新たに「改善度の高い統合報告書」が加わった。

 

GPIFのリリースはこちら

 

 

リリースによると、特に多くの運用会社から高い評価を得た統合報告書として、

 

【優れた統合報告書】5社

味の素/コニカミノルタ/オムロン/伊藤忠商事/丸井グループ

 

【改善度の高い統合報告書】4社

大和ハウス/住友金属鉱山/オムロン/住友商事

 

が挙がったようだ。

 

味の素の統合報告書への雑感

 

確かに、味の素の統合レポートを読むと、企業価値を高めるという目的に対して、財務(経済価値)と非財務(社会価値)の両面から丁寧にアプローチの仕方が説明されており、統合目標としてブランド価値を高めていこうとするシナリオが非常に分かりやすい。

味の素らしい独自KPIが数多く考案、設定されていることから、社内では(おそらく外部のコンサルなども巻き込んで)相当な議論、ステップを踏んだのだろうなと予想され、並々ならぬ真剣さを感じる。

社長メッセージに加えて対談や特集なども併せて読んでみると、この会社の本質が「CSV」ならぬ「ASV」に取り組む会社であることが見て取れる。

 

就活生や転職活動中の社会人へ

 

味の素の統合レポートは、就活中の学生や転職活動中の社会人の方にもぜひ手に取って読んでもらいたいレポートの一つだ。

味の素が大事にしている価値観や社会における存在意義、そしてそれがどのように将来のビジョンと結びついているのか、また実際の事業に結びついているのかを一生懸命に説明しようとしている。

味の素を志望してもしなくても、自社がどのような価値観、存在意義で事業を行い、将来どんな企業でありたいのか、さらにはその熱意、本気度を知ることは極めて重要で、企業を見る時の1つのベンチマークに活用できるかと思う。

 

まとめ

 

以上、GPIFが優れた統合報告書を発表した(実際は、何とかアセットマネジメントだとかの運用会社に選ばせた)ニュースでした。

 

今回、GPIFから国内運用機関に要請した選定内容に広がりが出た(優れた統合報告書だけでなく、改善度の大きい統合報告書もカウントに加わった)ことで、運用機関のみならず、実際に統合レポートを制作する事業会社の関心も高まっていくのではないだろうか。

「統合」に関する考え方やESGに対する理解もまだ未熟な中で、統合報告書、統合レポートは毎年進化しています。

ぜひ時間のある方は、過去から順を追って統合報告書の進化具合を見てみると面白いかも。

 

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