転職エントリー前にまずは確認!企業研究の目的、ポイント、方法を押さえて、面接や選考を優位に進めよう!
「企業研究って、どうやって進めればいいの?」
「何を調べれば、企業研究をやったことになるの?」
「企業研究の範囲が広すぎて、どこから手を付けたらいいのか分からない。」
企業研究をめぐっては、こうした悩みが常に付きまとうものです。
就活や転職をするにあたって、企業研究は欠かすことはできません。
しかし、いざ企業研究を進めようにも、具体的にどんなアクションが必要なのか、何をどこまで調べるべきなのか、手探りなのが現実ではないでしょうか。
就活サイトや転職サイト、本屋で買ってみた対策本にも何となく書いてあった気がするけど、今ひとつピンと来ない。
何をどう進めたらいいのかはっきりしない…そんな人が多いのではなないでしょうか。
そこで今回は、企業研究でこれだけは知っておきたいエッセンスをまとめてみました。
いずれも、これまでに転職を4回経験した管理人なりの視点を盛り込んだものです。
目的(企業研究って何のためにやるの?)を押さえ、ポイント(企業研究で押さえるべき注目点)を知り、方法(企業研究の効果的な進め方)が分かれば、面接や選考を優位に進めることができるでしょう。
ぜひ役立ててみてください。
〈目的の確認〉企業研究って何のためにやるのか?
企業研究を進めるにあたって、その目的はしっかり理解していますか?
目的の設定や理解がないままに闇雲に企業研究をスタートしてしまうと、何をどこまで調べるべきかわからず、いずれ壁に突き当たり、迷宮入りしてしまいます。
例えば、会社の創業年や資本金、拠点数、人員数などを頭に叩き込んでも、はっきり言って無駄です。
就活や転職における面接や選考は、いわゆる筆記試験やテストとは違うからです。
企業研究の目的を簡単にまとめると、以下の3つに尽きるのではないでしょうか。
志望度の高さ、本気度をアピール
面接官の立場にたって考えてみましょう。
面接官は自社にとって必要な人材かを見極めようとしています。
すでに会社のことを内部から熟知している面接官からしてみれば、受験者が企業研究をしているかどうかは、少し話してみればすぐに分かります。
事前に何も調べずに面接にやってきた人は、具体的な話ができず、要領を得ないため、上辺だけの会話に終始してしまいます。
面接官にとっては、企業研究をしているか否かで、志望度や本気度が高いかどうかを知ろうとしています。
中途採用の面接であっても、企業研究ができていない人が意外と多いものです。
「うちのことについて、ちゃんと調べてきてくれてる」という安心感を面接官に与えられるだけでも、プラスの印象をかなり与えることができます。
中途採用は即戦力となるような優秀な人材であることが望ましいのですが、たとえ即戦力では劣っても企業理解を深める努力をしてきた、志望度の高い受験者の方が面接官には魅力的に映ることを覚えておきましょう。
他のライバルとの違いを示す
面接官の経験をすればすぐ分かることですが、受験者によって企業理解の程度はさまざまです。
企業研究をまったくしてない人は論外ですが、企業研究をしっかりしてきた人であっても、企業のどの点に注目したのか、その着眼点のあり方、理解の度合いは人それぞれです。
通り一遍の企業研究ではその他多くの受験者との差別化は難しいですが、もし一つでも他のライバルとは異なる着眼点(的を外していないことが大前提ですが)を示すことができれば、一歩抜き出ることができます。
面接では一般的に、面接官を相手に質問する機会(逆質問)が与えられるかと思いますが、この質問タイムに独自の着眼点を伝え、自己アピールに有効に使いましょう。
企業研究をしてもなお分からないポイントを素直に質問することはもちろんのこと、他のライバルとは見ている視点が異なることをにおわすような質問を繰り出すのが効果的です。
たとえば、「貴社は〇年に●●という経営判断をなされていますが、今後の働きぶりが認められれば、●●に関連するポジションにチャレンジさせていただけるのでしょうか?」といった感じです。
実際の面接の心構えにもなってしまいますが、「あ、この人はうちのこんな点に注目して、志望してくれているんだ」というアピールすることが大変効果的です。
面接官の印象に残す
もうお分かりだとは思いますが、面接や選考において重要なのは他のライバルとの差別化です。
第一段階では、しっかり企業研究をしているかを示すことで、志望度の高さや本気度を伝えることが大切です。
第二段階では、他のライバルとは異なる着眼点を示すことで、他のライバルとの違いを伝えます。
そして、第三段階として、面接官に印象を残すことが大事になってきます。
面接官は受験者を見送った後、自分の席に戻って何をすると思いますか?
周りにいる同僚や上司に対して、「今回の受験生は、なかなか好印象だった」とか「あまりやる気が感じられない」「うちにはちょっと合わないかな」などの雑談、報告です。
この会話から分かるように、面接直後には受験生の印象はだいたい固まっていて、次の選考に進ませるかどうかの判断はほぼ決まっているようなものなのです(別に筆記試験などがあれば、その結果を待つこともありますが)。
この印象には、志望理由やこれまでの経験(職歴)など様々な要素が関わってきますが、企業兼研究がしっかりできていれば、面接官に好印象を残すことができます。
つまり、「うちのことをよく調べてくれ、着眼点もユニークでなかなか良い、志望動機やこれまでの経験ともうまくつながっている」と示すことが、「面接官に印象に残す」ことなのです。
〈注目点の確認〉企業研究で押さえるべきポイントとは?
企業研究の目的は確認できましたでしょうか?
目的が分かれば、次はどのようなポイントで企業研究を進めたらいいのか、押さえるべきポイントについてです。
闇雲に調べつくす必要はありません。
ポイントを意識することで、たくさんある情報の中から有機的に情報を紡いでいくイメージです。
そのポイントは、主に以下の3つにまとめることができます。
自分との接点を確認する
何よりもまず押さえるべきポイントは、自分との接点です。
企業研究において意外と忘れがちなのですが、すべての起点にもなり、原点にもなるところです。
まったく知りも知らない業界や企業にあえて志望する人は極めてまれでしょう。
志望する動機の不在になり、その後の企業研究もうまく進みにくいと思います。モチベーションを維持するのも困難です。
必ずある自分との接点を改めて確認する作業が、第一のステップです。
自分との接点とは、何でしょうか。
具体的には、その企業が手掛けている商品やサービスを使ったことがあるかどうか、それによって自分(やその家族)がどれだけ恩恵を受けているかなど、自分の人生とその会社の結びつきです。
自動車メーカーを志望するのであれば、そのメーカーの車を運転したことがあるかどうか、運転はなくても同乗したことがあるのか、家族や親戚を含めた保有状況、友人や知人などの評価、口コミなどです。
たとえ自分が車を運転しなくても、運転しない立場として車社会に対して思うこと(車の事故やマナーなど)、テレビCMやメディアを通じて感じること、レンタカーやカーシェアリング、自動運転などのホットな話題等、接点の見つけ方は何でもあります。
そうした自分との接点をまずは押さえておくことも、立派な企業研究です。
志望動機をこしらえる上での「原点」としつつ、企業研究を進めるにあたっての「起点」にしていきましょう。
「やりたいこと」との関連性を調べる
社会人、会社員として仕事をしていく上で、いわゆる「やりたいこと」は存在するかと思います。
商品やサービスの企画開発がやりたい、海外における営業推進に携わりたい、簿記などの資格を活かしたい、などです。
その「やりたいこと」を主軸にして、企業を見ていきましょう。
例えば、英語力を生かしてグローバルに活躍したいと考えた時、どんな情報を調べるといいのでしょうか。
企業の中には様々な部署や部門があり、実際に海外事業を推進しているのはどこなのか調べる必要があります。
複数の部門にまたがっているケースもあれば、海外事業推進室など名称で一本化されているケースもあるでしょう。
また、海外展開していても、まだまだその規模が小さい場合もあります。
企業の売上高とその構成比(海外売上比率)などの指標を見ることで、企業における海外事業のポジションを把握することができます。
その企業にとって海外事業は稼ぎ頭なのか、それともまだまだ種まき中の新規事業の扱いなのか。
また、どれだけの人員がそこに配属されており、どういったポジションの人材が配置されているのか(入社数年での配属は稀だが、可能性はなくはない。基本的には2~3部署などを異動した後に就けるポジション。など)
場合によっては、海外事業は他社との合弁事業で進めていたり、自社での海外展開がうまくいっておらず、国や地域によっては縮小傾向にあるケースも考えられます。
「英語を使ってグローバルに活躍したい」といった「やりたいこを」を切り口に、さまざまな情報を有機的に結び付けられそうではありませんか?
逆に、「やりたいこと」との関連で企業を見ていかないと、自分にとって何も引っ掛かりのない企業研究になってしまいかねません。
「やりたいこと」を切り口にその企業を調べてみることで、ぼんやりしていた企業の姿が自身の関心事との結び付く格好でクリアーになり、立体的に浮かび上がってくるかと思います。
会社の経営方針やビジョンを確認する
最後に、その会社の経営方針やビジョンを確認するようにしましょう。
自分との接点を確認し、「やりたいこと」との関連性を調べた上で、最後に取り組むことが肝心です。
実は、上記の順番は言わば自身の関心にしたがって、言わば「フィルタリング」しているようなもの。
フィルターにかけてもなお、その会社に興味を持っている、志望したいというステージに立っていることが確認できました。
この段階に立った上で、今後会社が進んでいく道筋や方向性について確認するようにしましょう。
具体的に確認するべき項目は、以下の通りです。
- 経営理念(究極的にどんな目標を目指しているのか、社会における存在意義)
- ビジョン(どんな企業像を目指しているのか、どんな企業として社会から見なされたいか)
- 中期経営計画(経営理念の実現やビジョン達成のため、どんな計画で今後進めていくか)
- 人材戦略(どんな人材を育てたいのか、仕組みや制度を整えながらどう人材に投資していくのか)
- その他(環境戦略やCSR方針など)
すでに自分との接点や「やりたいこと」との関係性が明確になっているステージにいるはずなので、自分に即して調べることができるはずです。
〈方法の確認〉企業研究の効率的な進め方とは?
企業研究の目的と、押さえるべきポイントについてまとめきました。
最後に、効率的な企業研究の進め方、方法についてです。
この方法のところは、当サイトでそれぞれ詳しく解説していきますので、要点だけを簡単にまとめていきます。
採用サイト、就活・転職サイトの確認
企業側がせっかくお金をかけて編集してくれているのですから、最低限として確認はしておきましょう。
特に実際の社員が登場して、自身の経験を語っているようなページは要チェックです。
しかし、他のライバルも必ず目にしているため、ここでは差別化にはなりません。
目を皿にして読み込んだとしても、このレベルで満足してはいけません。
新聞、雑誌などで関連記事の検索
Googleのニュース検索などの機能を使って、過去1年分ぐらいのニュース記事をざっとチェックしておきましょう。
必要に応じてニュース記事を過去にさかのぼって調べていくといいでしょう。
新聞や雑誌は一般読者を相手に分かりやすく伝えてくれていますし、その企業について課題を含めて分析してくれていたりします。
しかし、新聞や雑誌で拾える情報はたくさんあるため、情報の絞り込みも大切です。
特に大企業であれば、情報はあふれています。
日経新聞や日経産業新聞などに限って、過去1年分の情報を検索するという割り切りも大切になってきます。
現地調査で実際の商品やサービスを経験
可能であれば、実際に商品やサービスを自分の目で見て、触れてみることをお勧めします。
不動産会社であれば自社保有物件を訪ねてみたり、メーカーであればその商品を手に入れてみたりするのが良いでしょう。
先輩社員(OBOG)訪問の実施
将来の同僚になるかもしれない現役社員を訪問するのも良い手です。
いわゆるOBOG訪問は、新卒の就活では広く知られた手法ですが、転職活動中の社会人であっても、ぜひ活用したいところです。
採用担当者に相談して現役社員と面談する機会を設けてもらうことができれば、企業研究として大変有意義です。
自分との接点や「やりたいこと」との関係性が明確になり、会社の方針や方向性が確認で出来ていれば、先輩社員にぶつけてみたい疑問や仮説などもきっとあることでしょう。
IR情報の活用
上場している企業のホームページには、株主や投資家向けの情報(IR情報)を掲載したページがあるかと思います。
有価証券報告書や決算説明会資料なども、使い方さえ知っていれば大変役に立つ情報が見つかります。
特にアニュアルレポート(統合報告書)は企業研究において打ってつけの資料になります。
当サイトではアニュアルレポートを使った企業研究のやり方を紹介していますので、ぜひご覧ください。
ここまでのまとめ
以上、いかがでしたでしょうか。
目的を知り、押さえるべきポイントさえ外さなければ、適切な方法によって効果的に企業研究を進めることができます。
効果的で効率的な企業研究によって、面接や選考を優位に進めていきましょう。
当サイトでは、アニュアルレポートを使った新しい企業研究の方法についてもまとめてありますので、ぜひご覧ください。